紛争の内容

青果卸売を営む会社(A社)は、資本金900万円、従業員が80名ほどおり、全国には3拠点の工場を擁する企業でした。前身となる会社からA社が立ち上がりましたが、負債その他を引き継いだため、破産時点で負債総額5億円にも及び、粉飾決算もあり内情は大赤字であり、A社の代表者は個人的に借り入れ、連帯保証などしておりましたが、首が回らなくなったため、破産に踏み切る決断をされました。

交渉・調停・訴訟などの経過

受任後、速やかに、債権者全員に受任通知を提出し、債務情報の収集を行いました。また、上記のような規模の会社であったため、関係者が多く、まずは財産散逸等を防ぐため、同時並行的に、各工場の現地調査、従業員説明会を開催し、数時間に及ぶ対応(説明、質疑応答)を実施、その上で工場を閉鎖しました。工場は、全国に散らばっていたため、弊所の弁護士がチームを組んで、それぞれ現地に赴き、混乱を最小限に抑えるなどの配慮が必須でした。
また、時間の経過は不測の事態を呼びますので、資料の収集を猛スピードで行い、受任後2週間で破産申立に漕ぎつけました。
その後も、破産管財人との連絡・調整や調査、裁判所における債権者集会への出席等を継続し、1年以上が掛かりました。

本事例の結末

破産手続は終結し、法人を法的にきちんと整理することができました。
代表者個人も、免責という結果を得ることができました。

本事例に学ぶこと

法人破産、特に「生きている会社」の破産手続は、従業員の皆様、債権者の皆様、売掛先の皆様等をはじめとして、周りに対して波及効を及ぼします。例えば、従業員の皆様には解雇手続(伴う失業保険の手続等)、債権者の皆様には手続の周知、債権届のお願い等、売掛先の皆様には債権回収等、行うことになります。中には、連鎖倒産ということもあるでしょう。
しかし、破産をするということは、経営を立て直すことが著しく困難な状況にあり、計画的に負債を返済できる状態にないことを意味します。そのため、立て直せる見込みがないのに(この見込の判断がとても難しいのですが)、事業を継続することで、状況を刻一刻と深刻化させているとも考えられます。
法人を破産するという決断は、とても重く、いわば究極の選択ですし、私たち弁護士が徒に決断を迫ることではないと思います。しかし、最も深刻な事態は、赤字でどうしようもなくなった(キャッシュも残っていない)状況で、破産手続を弁護士に依頼することもできず、放置するということではないでしょうか。放置するということは、一部の債権者等による不平等な債権回収等による債権者の皆様に平等にあてがわれるべき財産散逸が横行したり、従業員が何の説明を受けられず混乱の窮地に立たされる等のリスクが高く、多大な悪迷惑を及ぼします。
破産を決断することは、責任ある経営者としての最後の務めということもできます。
私たちは、法人破産集中チームを結成し、経験豊富な弁護士が中心となって弁護士がタッグを組み、破産手続において必要十分な対応ができるよう努め、経営者の方を最後までサポートいたします。