個人事業主とは

個人事業主とは、その名の通り、個人で事業を行っている人を指します。
具体的には、法人を設立しておらず、給与所得ではなく、事業を行っている人を言います。

個人が新たに事業を開始した場合には、所得税および源泉所得税ならびに消費税に関する各種届出書等の提出が必要となります。
国税庁のホームページによれば、新たに事業を開始した場合には、各種届出手続のうちで下記のようなものが例示されています(抜粋ですので、実際に必要なものは、税理士又は税務署にお尋ねください)。
所得税関係
・事業を開始した場合や事業所等を開設等した場合→個人事業の開廃業届出書
・青色申告の承認を受ける場合→所得税の青色申告承認申請書

源泉所得税関係
・給与等の支払を行う事務所等を開設した場合 → 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 (「個人事業の開廃業等届出書」を提出する場合を除く。)

消費税関係
・免税事業者が課税事業者になることを選択する場合→消費税課税事業者選択届出書
・簡易課税制度を選択する場合 → 消費税簡易課税制度選択届出書

また、都道府県税事務所、年金事務所、労働基準監督署等にも届出書等の提出が必要となる場合もありますので、税務署、税理士や各行政機関へご確認が必ず必要です。

資金繰りとは

個人事業を経営していると必ず直面するのが「資金繰り」です。
「資金繰り」とは、端的いえば入出金のことです。
そして、単なる入出金だけでなく、支払予定も含めての入出金管理を意味することが多いと考えられます。
この観点でしばしば言及されるのが「資金繰り表」です。
どの売掛先からどの口座に入金があり、どの買掛先・借入先にどの口座から支払うかの予定表のようなものです。
今でこそ手形取引は少なくなりましたが、手形が落ちない場合には倒産になりかねませんし、金融機関への返済が遅れることは、その後の資金繰りにさらに影響します。
この意味で、資金繰りとは、経営そのものと言ってもいいかもしれません。

個人事業主が資金繰りに困る場合

個人事業主が資金繰りに困る場合は、非常に大きく分けると、事業がうまくいっている場合とうまくいっていない場合の2通りに分けられると考えられます。

事業がうまくいっている場合

個人事業主の事業がうまくいっているにも関わらず、資金繰りに困る場合はどのような場合でしょうか。
一つには、事業がうまくいっている利益を別な事業に投資し赤字となっている場合が考えられます。このような場合には、赤字となっている事業についての処理方針を早急に決定し、うまくいっている事業に集中する方策を検討することが多いと思われます。
また、事業がうまくいっている場合であっても、取引先の倒産や資金繰りの影響を受け、自身の資金繰りが困ってしまうということもあり得ます。このような場合には、金融機関に相談して融資を受けたりすることで資金繰りをクリアすることが考えられます。

事業がうまくいっていない場合

他方、個人事業主の事業がうまくいっていない場合に資金繰りに困る場合というのは、まさに、事業で利益が出せないことから各種支払いに回すお金も金融機関等から借りざるを得ない場合、と考えられます。
このような場合には、事業が黒字に改善できるかどうか、早急に見極めが必要です。

事業がうまくいっていない個人事業主が資金繰りに困るとどうなるか

先に見たように、事業がうまくいっていない個人事業主は、事業で利益を出すことができていないことが多いものと考えられます。
この場合、恒常的に借り入れによって資金を得ていると言えます。
従って、このような場合に資金繰りに困るということは、金融機関からの借り入れがこれ以上受けられないこと、すなわち、支払や運転資金が得られないことを意味します。
これは、事業自体が立ち行かなくなることを意味します。

事業がうまくいっていない個人事業主が資金繰りに困った場合にどうすべきか

今見たように、事業がうまくいっていない個人事業主が資金繰りに困る場合というのは、事業自体が立ち行かなくなるか否かの瀬戸際に来ていると言えます。
このような場合には、まずは金融機関(いわゆるメインバンク)に相談することが一般的だと思われます。
ですが、メインバンクもそれ以上の融資ができないと判断することも多々あります。それは、事業の黒字化はおろか、改善自体が見込めないとメインバンクが判断する時です。
この場合、支払いができない以上、事業自体をどのように閉じるか、すなわち、廃業を検討することになりますが、借り入れをしている場合には、破産を検討することが必要になります。

個人事業主とグリーンリーフ法律事務所

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所の特徴

開設以来数多くの企業に関する案件・相談に対応してきた弁護士法人グリーンリーフ法律事務所には、中小企業の悩みに精通した弁護士が数多く在籍し、また、法人破産管財人を経験した弁護士も複数在籍しています。

資金繰りにお悩みの個人事業主の経営者の方へ

先にも述べました通り、事業がうまくいっている場合で資金繰りに困っているという場合には、まずは、金融機関等への相談を検討すべきと考えられます。
他方、事業がうまくいっていない個人事業主の経営者の方が資金繰りに困る場合というのは、事業自体が立ち行かなくなるか否かの瀬戸際に来ていると言えます。
この場合、破産を検討することが必要になりますが、破産は決して恥じる制度ではありません。
不幸にも事業がうまくいかなくなってしまった経営者の方がとるべき最後の責任と言っても過言ではありません。
開設以来数多くの倒産事件に対応してきた弁護士法人グリーンリーフ法律事務所には、法人破産管財人を経験した弁護士も複数在籍していますので、ぜひ、ご相談ください。

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グリーンリーフ法律事務所は、地元埼玉で30年以上の実績があり、各分野について専門チームを設けています。ご依頼を受けた場合、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。

■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 野田 泰彦
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