破産に至る経緯

ある商品の卸売業者様からのご相談でした。
これまでは実店舗に商品を卸していたが、近年はネット販売に押されて、いわゆるジリ貧の状態であるため、会社を畳むことを検討している、とのご相談でした。
初回のご相談では破産手続に関する説明を行い、それを踏まえ今後の方向性を検討してもらうこととしました。
その後、やはりこれ以上続けた場合には債権者にかける迷惑が大きくなるので会社を畳むこととしたいとのご連絡をいただきましたので、法人及び銀行債務の連帯保証をしていた代表者様の破産手続申立てを受任しました。

破産申立てまでの経過

法人の負債状況は30社・3000万円程度でした。
債権者の皆様に受任通知を発送するとともに売掛金調査、賃貸店舗の明渡しに着手しました。
売掛金については既に発送済みであった請求書に従い一部回収することができましたが、支払いに難色を示す取引先もおり、その点に関しては管財人に委ねることとしました。
賃貸店舗については残置物が多数存在したため廃棄業者を依頼し残置物を処分した後に明渡しを行いました。
その他、1人残ってもらっていた従業員の解雇に伴う賃金支払い、会計帳簿の保管等を経て、法人・代表者様について同時に破産手続申立てを行いました。

本事例の結末

破産手続申立後、破産管財人が取引先から売掛金を回収したことである程度の財団が形成されたため、債権者への配当が可能な状態となりました。
複数回の債権者集会を経て、配当が完了した段階で法人については破産手続廃止となり、代表者様についても同じタイミングで破産手続廃止となりました。その後、代表者様について免責許可決定がなされ、事件終了となりました。
金策等をぎりぎりのタイミングまで続けてしまうといざ破産となった場合、債権者の皆様に与えるダメージが大きくなってしまいますので、事業を継続するか否かについてはある程度の段階で見切りをつけることが重要かと思います。