紛争の内容
埼玉県内で金属加工を業とする会社より、法人破産のご依頼をいただきました。
債権者は約20社で債務額は約4000万円でした。
代表者である社長については、保証債務を含め返済の目途がありましたので、社長からは依頼はいただかず、法人破産のみご依頼いただきました。

交渉・調停・訴訟等の経過
破産管財人から、法人名義の自動車1台の処分について問い合わせがありました。
これについては、代表者が当該自動車の買取を希望していたため、時価相当の数万円で代表者に売却することとなりました。
また、破産管財人から、リース物件である電子ブレーカーについて問い合わせがあったため、代表者が個人保証していることが確認されました。
そして、破産管財人から、会社が所有している在庫である金属類の財産的価値についても問い合せがありました。
これについては、1kg当たり数円の見込みでしたので、売却した数量と売却金額がわかる書面を当方から提出し、売却金額を管財人口座へ支払うこととなりました。

本事例の結末
法人名義の自動車1台については、破産管財人と代表者との間で売買契約書を取り交わし、代表者から破産管財人に対して代金である数万円を支払いました。
在庫である金属類については、約1万円で売却できましたので、当方から売却内容がわかる書面を速やかに管財人へ提出し、同額を管財人口座へ支払いました。リース物件である電子ブレーカーについては、代表者個人が継続使用を希望しているということで、引き揚げはなされないこととなりました。
その他の会社の財産については、破産管財人が財団からの放棄許可を申立て、裁判所より放棄が許可されました。
そして、残務もないということで、本件破産手続は無事、異時廃止となりました。

本事例に学ぶこと
法人破産では、在庫等の会社の財産やリース物件等が多岐にわたり、それらの処分が複雑化して長時間を要し、管財人の業務も増えることで、破産手続が長期化することも珍しくありません。
そのような場合、債権者集会も1回で終わらず、複数回開かれることで、破産手続の終了が先になるということも多々あります。
ただ、本件のように、破産管財人からの指示に対して、申立人側が漏れなく速やかに対応することで、破産管財人の業務もスムーズに進み、破産手続も1回の債権者集会のみで終わるというように、スムーズに手続を進めることができることがあります。

弁護士 田中 智美
弁護士 権田 健一郎