依頼内容
ご依頼をいただいたのは、整骨院を営む法人でした。この会社は、整骨院を営んでおり、一時期は支店を開くなど順調に事業を進めていたところでした。
しかし、集客手法がネット集客に移行し始めたことで徐々に業績が落ち、コロナ禍以降も業績が回復することがありませんでした。また、施術のための柔道整復師の資格を持つ従業員が退職することになり、支店の維持がおよそ不可能になりました。
そこで、代表者の方は破産の決意をされ、会社の有していた施術のための器具やベッド、法人の所有していた自動車などを処分されたうえで当事務所にご相談いただきました。
負債状況
3千万円
資産状況
預金130万円程度を確保のうえ、若干の未回収売掛金が残っていました。
方針・事件処理の結果
本件は、既に事業を閉じられていた事案であったために、現在の資産状況調査のうえで、申立において代表者の方の処分が正当なものであると説得する材料を準備する方向で対応すべきことになりました。
既にテナントの明渡しや自動車や器具・ベッドは処分済みでしたが、売掛金が若干未回収でした。未回収の売掛金のうち早期に振り込まれる分は代理人にて預り、残りは管財人に振り込む方法により対処してもらうことになりました。
自動車については代表者ご自身が破産法人から引き取ったため、不当な財産処分とされないように、相見積もりの結果等を準備のうえ申し立て、相当な財産処分であったとの説明を準備しました。
また、破産手続き開始決定後、代表者は裁判所の許可なく住所を離れてはいけないことが原則とされています。そこで、代表者の方がお仕事のために外泊を行うところ、裁判所・管財人との調整のうえで問題なくお仕事を継続で切ることになりました。
本事例に学ぶこと
法人破産では事業の閉鎖に伴って財産の処分をすることがあります。これらは通常、財産を不当に安い価格で処分してしまっていると疑われたり、会社財産を流出してしまったと疑われることでトラブルになります。
あまりにこれらの処分の態様がひどい場合、管財人が否認権という法律上の強力な権利を行使して、財産の取戻し等を試みることもあり、代表者の個人責任が追及されたり、破産手続が長期化することもあります。
そして、本件のように、財産を処分するに際して適正な価格で処分したことを裏付ける資料を準備して破産申し立てをすることがあります。しかし、どのように処分価格の適正さを図るのか、その方法は財産ごとに異なります。
このように破産を決意して以降の会社財産の処分には慎重な対応が求められます。会社をたたもうと決意された場合には、早期に弁護士へのご相談の上、上手に会社をたたむ方法を一緒にご検討いただくことをおすすめします。
弁護士 野田 泰彦
弁護士 小松原 柊







