紛争の内容
小規模な法人の自己破産事例です。事業の末期において資金繰りが悪化し、在庫や備品を質屋のような買取店へ売却して資金を捻出していました。また、日々の業務の中で法人と代表者個人の財産管理の区別が曖昧になっている部分がありました。破産手続開始後、破産管財人からこれらの経緯について指摘を受け、数百万円の財産を破産財団へ組み入れるよう求められました。

交渉・調停・訴訟等の経過
破産管財人からの要請に対し、当時の資金繰りの状況や買取店での取引経緯について詳細な報告を行いました。買取店への売却については当時の状況下で行わざるを得なかった背景を説明し、不当な廉価処分ではないことを客観的な資料に基づいて示しました。また、財産の混同についても、個人の資金から法人へ補填していた事実などを整理して管財人に説明し、協議を重ねました。

本事例の結末
取引履歴や当時の資金状況を示す資料をもとに協議を継続した結果、管財人にも事情を一定程度理解していただくことができました。最終的に、破産手続を進行させるための解決金として、代表者から30万円を破産財団に組み入れることで合意に至りました。その後、法人の破産手続は無事に終結し、代表者個人の免責決定も得ることができました。

本事例に学ぶこと
小規模法人の場合、経営状況が悪化する中で法人と個人の財産が混同したり、慌てて資産を買取店等に売却したりすることは珍しくありません。このような場合、手続の中で管財人から高額な支払いを求められることがありますが、事実関係を丁寧に整理して協議することが大切です。早い段階で専門家に相談し、正確な状況報告を行うことで現実的な解決につながります。

弁護士 申 景秀